高血圧対策にはどのような血圧降下薬があるの?
2024/04/10
日本では、高血圧の治療に様々な種類の血圧降下薬が使用されています。この記事では、高血圧対策に使われる薬の種類や効能、副作用などについて紹介していきます。高血圧に悩む方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
高血圧とは
高血圧とは、血圧が正常値よりも高くなってしまう症状のことを指します。血圧は、心臓が収縮する際の最高血圧(収縮期血圧)と、心臓が拡張する際の最低血圧(拡張期血圧)の2つの値で表されます。高血圧は、これらの値のいずれかが正常値よりも高くなってしまう状態を指します。高血圧は、塩分過剰摂取や肥満、運動不足、ストレス、喫煙などの生活習慣や、遺伝的な要因が関与することがあります。高血圧が放置されると、脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの合併症を引き起こすことがあるため、早期の対処が必要です。薬局での血圧測定などを通じて、高血圧に注意して生活習慣を見直すことが大切です。
血圧降下薬の種類
高血圧は、日本人にとって最も一般的な健康問題の一つです。高血圧を治療するのに一般的に使用される薬は、血圧降下薬です。血圧降下薬には、α遮断薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARB(アンジオテンシンIIAT1受容体拮抗薬)、β遮断薬、利尿薬などがあります。α遮断薬は、運動やストレスなどによって引き起こされる交感神経の活性を抑えることにより、血圧を降下させます。カルシウム拮抗薬は、心拍数や血管を収縮させるカルシウムの流入をブロックすることにより、血圧を降下します。ACE阻害剤およびARBは、血管を収縮させる物質であるアンジオテンシンの産生を抑制したりそのセンサーをブロックしたりすることにより、血圧を降下させます。β遮断薬は、交感神経の刺激によって心拍数が上昇するのを防止することにより、血圧を降下させます。利尿薬は、身体からのナトリウムの排泄を促進することにより、血圧を降下させます。どの血圧降下薬を選ぶかは、病歴や症状に基づいて医師が判断する必要があります。
カルシウム拮抗剤
カルシウム拮抗剤は、高血圧や狭心症などの血管性疾患の治療に用いられる薬剤です。カルシウムイオンを拮抗することで、血管内の平滑筋細胞の収縮を抑制し、血管を拡張させる効果があります。カルシウム拮抗剤は、カルシウムチャネルに作用するため、副作用として、浮腫、頭痛、めまい、動悸などがあります。また、高齢者や腎機能障害のある患者では用量調整に注意が必要です。また、カルシウム拮抗剤を含めた高血圧治療薬は、管理された処方箋医薬品であり、適切な医師の処方箋が必要です。
ACE阻害薬
ACE阻害薬とは、血管収縮を抑制し、血圧を下げる効果がある降圧剤の一種です。薬局でもよく処方される代表的な降圧剤であり、高血圧や心不全などの治療に活用されます。ACE阻害薬は、血管収縮を抑えることによって、血管を広げ、血流を良くし、心臓への負担を軽減する効果があります。また、腎臓にも作用し、尿量を増やすことで利尿作用も期待できます。副作用として、空咳や動悸、めまい、頭痛、血管性浮腫、貧血などが報告されていますが、副作用も個人差があり、薬の種類によって異なるため、注意が必要です。ACE阻害薬には、心臓を保護するというエビデンスがあります。また、その副作用の空咳が誤嚥性肺炎を防ぐことを期待し、投与されるケースもあります。近年は、ACE阻害薬と比べるとARBの処方が増えてきました。理由としては、血圧を下げる効果に優れており、腎臓を保護する作用や、その副作用の少なさがあげられるからです。
利尿剤
利尿剤は、薬局で取り扱うよく知られた薬剤の一つです。利尿剤は、尿の量を増やす効果があり、主に高血圧症、心不全、尿毒症、腎臓病などに対する治療に用いられます。海外旅行をする際にも、長時間のフライトで足がむくむことがあるので、利尿剤を処方されることもあります。ただし、利尿剤は尿の量を増やすため、身体に必要な水分も一緒に排出されるため、必要以上に摂取すると脱水症状を引き起こすことがあります。また、利尿剤は飲む前に食事のタイミングを考える必要があります。飲んですぐにトイレに行きたくなるため、食前に服用すれば食事中にトイレに行く回数を減らすことができます。利尿剤は医師の処方によって使用し、尿の分泌量や電解質のバランスを調整する必要があります。
服用と薬剤師との関わりについて
薬剤師は、患者様の健康状態や薬剤の種類に応じて適切な服用方法や副作用についての説明を行い、安心して薬を服用できるようサポートしています。患者の医療情報の管理を通じて、医療連携を図り、安全かつ効果的な治療、質の高い医療に貢献しています。服用について疑問点などがあれば、薬剤師が正しい服用方法を教えてくれるため、安心して利用しましょう。